千葉アイランド構想によるリブランディング

週末に千葉県の鋸山に行って少し考えました…。

千葉県には「千葉のグランドキャニオン」「千葉のマッターホルン」「千葉のウユニ塩湖」など、“千葉の〇〇”シリーズが大量発生しています。ここまで来ると、もはや千葉は日本最大のテーマパークであり、地形そのものがアトラクション名を欲しているのではないかと思えてきます。さらに「東京ディズニーランド」という最大級の“借り物ネーミング”まで抱えているのだから、千葉は長年「東京の外側にある便利な土地」として扱われてきた歴史を背負っていると言えます。一方お隣の埼玉では「ダ埼玉(ださいたま)」「海なし」「通過点」と自虐しながらも、それを笑いに昇華して独自のキャラを確立しています。借り物ネーミングに依存する千葉に対し、「もっと自信を持て!」「オリジナルで勝負しろ!」という声が出るのは自然な流れではないでしょうか。

そこで浮上するのが、突拍子もないようで実は地理学的に筋が通っている“千葉アイランド説”です。これは民放のテレビ番組でも放送されたアイデアですが、利根川・江戸川・手賀沼・印旛沼などの水系に囲まれ、古地図でも「島状」と記されることがある千葉は、実質的に“半島ではなく島”とみなせるという主張です。これを逆手に取って、千葉県が堂々と「日本最大の島・千葉アイランド」を宣言して、県内の観光地や文化資源をすべて“Chiba Island 〇〇”として再ブランド化するという構想は、冗談のようでいて極めて合理的効果的と思われます。

千葉が抱える最大の課題は、東京依存と借り物ネーミングによって“固有の物語”が弱くなっている点です。広大な県土に多様な文化が散らばり、象徴的なランドマークが分散しているため、県全体を統一するストーリーが作りにくい…。しかし「アイランド」というメタ概念を導入すれば、房総・東総・北西部といった地域差を一つの物語で包み込めます。半島のように曖昧だったつながりが、島のように明確に定義されたプラットフォームへと変わることで、新しい価値が生まれます。さらに、成田空港という国際ゲートウェイを持つ千葉は、世界に向けて“日本の玄関口の島”または"千葉アイランドという独立した経済圏へのメインゲート"として発信する強みもあります。

つまり、千葉アイランド構想は、千葉が長年抱えてきた「東京の補助輪」的ポジションから脱却し、独自の文化圏として再定義するための強力なブランド戦略になり得ると思われます。ユーモアを起点にしながらも、千葉の自尊心と独自性を取り戻すための極めて本質的な提案ではないでしょうか。本件は一見するとブラインドフォースのミッションとは直接関係がないように見えます。しかし、既存の資産を再構成し、新しい概念を先取りして価値へと転換する行為そのものが、見えにくい領域から新たな価値創造を引き出すというブラインドフォースの役割と重なります。天候不良で鋸山からの景色はよくありませんでしたが、学びの多い週末でした。